前の記事では、
木・火・土・金・水が、
次の五行を生み出しながら巡る
「相生(そうしょう)」
について見てきました。
五行には、
もうひとつ大切な関係があります。
それが、
「相剋(そうこく)」
です。
相剋という言葉には、
相手を抑える。
勝つ、負ける。
ぶつかり合う。
といった、
少し強い印象があるかもしれません。
けれども相剋は、
ただ相手を傷つけたり、
力をなくしたりする関係ではありません。
強くなりすぎた力を抑え、
五行全体が大きく偏らないように、
互いの力を整える関係
でもあります。
相剋は、相手の力を抑える関係
相剋の「剋」には、
抑える。
制する。
勝つ。
という意味があります。
五行の相剋では、
ひとつの五行が、
別の五行の力を抑えます。
たとえば、
木は、
土の中へ根を伸ばします。
水は、
火の勢いを抑えます。
金属でできた道具は、
木を切り、形を整えます。
このように、
一方の五行が、
もう一方の五行に働きかけ、
その力を抑えたり整えたりする関係
を、相剋といいます。
相生が、
「生み出す」
「育てる」
「次へつなぐ」
という関係なら、
相剋は、
「抑える」
「区切る」
「整える」
という関係です。
五行は、この順番で抑え合っている
相剋には、
次の五つの関係があります。
木が土の中へ根を張り、土の力を抑える
⛰️ 土剋水(どこくすい)
土が堤防のように、水の流れをせき止める
🌊 水剋火(すいこくか)
水が、火の勢いを抑える
🔥 火剋金(かこくきん)
火が、金属を熱して溶かす
💎 金剋木(きんこくもく)
金属でできた道具が、木を切り整える
このように、
木 → 土 → 水 → 火 → 金 → 木
という順番で、
互いの力を抑えています。
相生とは、
つながる順番が異なります。
※相剋は、自然界の関係を五行で表した伝統的な考え方です。現在の科学的な仕組みを説明するものではなく、五行の働きを理解するための象徴として捉えます。
抑える力も、五行には必要
「相手の力を抑える」
と聞くと、
相剋は良くない関係のように
感じるかもしれません。
けれども、
生み出し、育てる関係だけでは、
ひとつの力が強くなりすぎることがあります。
木が伸び続ければ、
枝や葉が広がりすぎるかもしれません。
火が燃え続ければ、
勢いが強くなりすぎるかもしれません。
水が流れ続ければ、
必要な場所に
とどめておくことが難しくなります。
そんなとき、
切る。
せき止める。
勢いを弱める。
という働きがあることで、
力の広がり方が整えられます。
相剋は、
強くなりすぎた力に区切りをつけ、
全体のバランスを整える働き
でもあります。
五つの動きも、互いに整え合っている
これまで見てきた
五行の動きに重ねてみると、
木には、
新しく始め、伸びていく力があります。
けれども、
どこまでも伸び続けるだけでは、
方向を見失うことがあります。
そこに金の、
選び、
形を整える力が働くことで、
伸びる方向が定まりやすくなります。
火には、
外へ広がり、表現する力があります。
けれども、
広がりすぎたときには、
水の、
静かに落ち着かせる力が必要です。
水には、
流れ、内側に蓄える力があります。
けれども、
流れ続ける水も、
土が受け止めることで、
ひとつの場所にとどまりやすくなります。
このように、
異なる力が働きかけることで、
五行の動きが整えられることがあります。
暮らしの中にも、相剋のような働きがある
相剋の関係は、
毎日の暮らしに重ねて考えることもできます。
たとえば、
「やってみたい」
と思って、
いろいろなことを始める。
そこには、
木の伸びていく動きがあります。
けれども、
やりたいことが増えすぎたときには、
何を続け、
何をやめるのかを選ぶ。
そんな金の動きが、
木の広がりを整えてくれます。
気持ちが高まり、
外へ向かう力が強くなったときには、
いったん立ち止まり、
静かに考える。
水の動きが、
火の勢いを落ち着かせてくれることがあります。
自由に流れていたものを、
時間や場所を決めて、
ひとつの形に収める。
そこには、
土が水を受け止めるような働きがあります。
このように、
何かを抑えることは、
その力を否定することではなく、
使いやすい形へ整えること
にもつながります。
ただし、
すべての行動や気持ちが、
必ず五行の相剋どおりに動く
という意味ではありません。
五行の働きを、
暮らしの中で感じるための
ひとつの見方です。
相剋だから、悪いとは限らない
相剋は、
「相性が悪い関係」
「ぶつかり合う関係」
と説明されることがあります。
けれども、
相剋があるからといって、
すぐに悪い関係だと判断するわけではありません。
抑える力が
ちょうどよく働けば、
強くなりすぎた五行を整えたり、
力の向かう方向を
定めたりすることがあります。
一方で、
抑える力が強すぎると、
本来必要な力まで、
弱めてしまうことがあります。
たとえば、
まだ育っている途中の木を
強い金の力で切りすぎれば、
木は十分に伸びられません。
小さな火に
大量の水をかければ、
火は消えてしまいます。
つまり相剋は、
あれば良い、
なければ悪い、
というものではありません。
どの五行が、
どの五行を抑えているのか。
その力が、
強すぎないか、弱すぎないか。
全体の状態を見ながら
考えることが大切です。
相剋する側も、力を使っている
相剋では、
抑えられる側だけでなく、
抑える側にも力が必要です。
たとえば、
木の根が土を押し分けて
伸びていくときには、
木も自分の力を使います。
土が水の流れを
せき止め続けるときには、
土にも、
水を受け止める力が必要です。
金属の道具で
木を切り続ければ、
刃が欠けたり、
切れ味が落ちたりすることもあります。
相手を抑える働きが強くなりすぎると、
抑える側も、
力を使いすぎることがあります。
だから四柱推命では、
「相剋があるから悪い」
と、それだけで判断するわけではありません。
どの五行が何を抑え、
命式全体の中で、
どのように働いているのか
を見ていきます。
相生と相剋は、どちらも五行を整える関係
相生は、
次の五行を生み、
育てながら流れをつなぐ関係です。
相剋は、
強くなりすぎた力を抑え、
広がり方を整える関係です。
相生は良くて、
相剋は悪い。
ということではありません。
生み出す力だけでもなく、
抑える力だけでもない。
二つの関係があることで、
五行は、
互いに影響を与えながら働いています。
相生と相剋は、
五つの力が大きく偏らないように、
つなぎ、整えるための関係
として見ることができます。
おわりに|相剋は、力を抑えて整える関係
相剋は、
木・火・土・金・水が、
互いの力を抑える関係です。
木は土を抑え、
土は水を抑え、
水は火を抑え、
火は金を抑え、
金は木を抑える。
この関係だけを見ると、
五行が対立しているように
感じるかもしれません。
けれども、
抑える働きがあることで、
強くなりすぎた力に
区切りが生まれ、
全体が整いやすくなることもあります。
相剋は、
悪い関係ではなく、
五行の力を抑え、
使いやすい状態へ整える関係
です。
ただし、
抑える力が強すぎれば、
必要な力まで弱めてしまうことがあります。
大切なのは、
「どの五行が、
どの五行を抑えているのか」
という関係を見ることです。
まずは、
木 → 土 → 水 → 火 → 金 → 木
と、五行には
互いの力を整える関係があることから、
ゆるっと覚えていきましょう🍀

